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決闘するなよ、俺以外のヤツと 2

last update Date de publication: 2026-05-28 18:36:44

「えっと、突然お邪魔して申し訳無い。俺はタノベと言います」

 軽く自己紹介をすると返事が帰ってきた。

「こんばんはー、俺…… じゃなかっだ、わだしはムツヤって言いまず」

 酔っ払った上に訛っているが、敬語を使っている辺りいいヤツなのかもしれないなとタノベは認識を改める。

「私はモモだ。訳合って今はムツヤ殿の従者をしている」

 オークの女はそう言う。従者をしているとはどういった事情なのだろうかと少し考えた。

「ヨーリィです、ムツヤお兄ちゃんの妹です」

 あまり似ていない兄妹だなと思った。短く言うとヨーリィはアスパラガスをむしゃむしゃ食べ始める。

「えっと、ユモトです。よろしくおねがいしますね!」

 美人ぞろいのパーティだが、やはりタノベにはユモトが一際輝いて見えた。

「どうもどうも、よろしくお願いしまーす! 所で皆さんはどういう集まりなんですか?」

 フミヤは酒を飲みながら尋ねる。すると一瞬空気が重くなった気がした。

「そんなのどうだっていいでしょーよー!」

 ルーはフミヤの背中をバンバンと叩く。

「そ、そうですね、僕たちはただの冒険者の集まりですよ」

 明らかに何かをはぐらかされてい
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  • 裏庭が裏ダンジョンでした   災厄の壺 4

     「降参しろ!!」 少年は足と手といった動くための骨が折れていたが、まだ息はある。 土くれの化け物の中でまだ生きていた。「こんな戦いの中で降参だなんて随分悠長じゃないか」「お前は負けだ、降参しろ!!!」「しないよ」「どうしてだ!!」 ムツヤと少年の押し問答が始まる。「ムツヤ、君はキエーウのメンバーを殺したことがあるね?」「っ!! それは……」 大爆発でキエーウのメンバーを殺めてしまった事をムツヤは思い出した。「僕はね、僕の考えを間違っていると思わない。変える気も無い。だったら亜人の敵になる僕を君は殺さなきゃならないんだ」 ムツヤは言葉に詰まってしまい、なんて言い返せば良いのかわからない。 何か良くない予感がして土くれの化け物に食われたままの少年から距離を取る。 その口からは毒が漏れ出ていた。 魔法を解くと化け物はただの土に変わり、ボロボロと崩れ落ちた。その中から出てきた少年は既に。 死んでいた。毒を吸って自害していたのだ。「何が……」 ムツヤはダンっと地面を踏んで言う。「何が人をここまでそうさせるんだ!!!」「答えてやろう、憎しみだよ」 声のする方に目をやるとキエーウの幹部であり、ムツヤの裏の道具を盗んだ犯人であるウートゴが居た。 ムツヤはウートゴを睨めつける。まるで彼がこの世のすべての悪を背負い込んでいるような気がした。「俺達はみんな亜人に憎しみを持っている。俺も亜人に親しい者を殺されている」「だからって…… だからって亜人の人達全員が悪いわけじゃないだろう!!!」 ウートゴが懐に手をやり、ムツヤは剣を抜く。 しかし、ウートゴが取り出したのは武器ではなく、タバコだった。 人差し指から火を出してふぅーっと一服やる。「復讐なんてのは、ほとんどが生き残ったものの自己満足だ」 そのままタバコを吸いながら言う。「憎しみのため、仇を討つため、怨みを晴らすため、まぁ、おおかたそんな所だ」「でも、災厄の壺を使って亜人の人達を殺すなんて間違っている!!」「間違ってなんか無いさ、いや、間違いようが無いんだ。正解が無いからな」 ムツヤは剣を抜いて構えた。やれやれとウートゴも裏の道具の巨大手裏剣を取り出す。「お前は亜人を守りたい、裏の道具を取り返したい、その気持だけで戦っているのか?」「そうだ!!」「そうかな? 

  • 裏庭が裏ダンジョンでした   災厄の壺 3

    「世の中には色んな考えがあるんだよ、その中でも多数意見を元にルールや倫理なんかが考えられる」 銀髪の少年は語り続ける。「100年前は亜人は奴隷だという考えが世間で正しかった」「でも今は違うんだろ!?」 ムツヤは避けながら食って掛かった。「そうかもしれないね、でも僕たちはそう思わない」「いい加減にしろ!!」 ムツヤは槍を取り出して少年に近づく。毒の壁の外から攻撃をしようとしたのだ。 だが、その考えは少年が毒の壁を厚くすることによって防がれてしまった。 残された道は1つ、また全力の魔法を使って少年を殺してしまうことだ。「少なくとも僕達は亜人と分かり合うなんてできない」「これ以上邪魔をするなら……」「僕を殺すかい?」 ムツヤは言おうとしていた言葉を言われて驚く。「ほら、僕と君も分かりあえずに殺し合いをするんだ」「違う、それはお前がやめないから……」「僕も亜人にやめてと懇願しても、彼奴等はやめてくれなかったよ」 この少年もやはり亜人と悲しい過去があるのだろう。「どっちの考えが正しいか、少なくともこの場では戦いに勝った方が正しいことになるよ」 そんなやり取りの中、ムツヤは後ろから人の気配を感じ取っていた。キエーウの増援かと思いパッと向くと「ヨーリィ!?」 ヨーリィがちょこんと居た。長い黒髪が月明かりを受けてキラキラと輝いている。「あぁ、例の枯れ葉少女だね、残念だけど死んでもらうよ」 毒の風がヨーリィを襲う。「ヨーリィィィ!!!」 ムツヤはヨーリィを押し倒して避けようとするが間に合わない。毒の風を受けてヨーリィの髪と服が激しくはためく。 しかし、倒れるでもなくヨーリィはその場に立ち続けていた。「ヨーリィ、大丈夫なのか!?」「私はもう死んでいますから」「やれやれ、これはまずい事になったね」 まるで他人事のように銀髪の少年は言うと、ムツヤは微かに勝機を感じる。「ヨーリィごめん、俺じゃ近寄れないんだ!!」「はい、任せてお兄ちゃん」 右手に短剣を、左手に木の杭を持ち、少年に向かって走った。 まずは木の杭を投げるが、風で吹き飛ばされてしまう。その風が止んだ後にヨーリィが飛びかかる。「無駄だよ」 少年の後ろから突風が吹いて、体の軽いヨーリィは吹き飛ばされた。 その間にも木の杭を投げ続けたが、届かずに終わる。 着地

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     そんな飲み会があった次の日の朝、モモはいつもの様に皆よりも早く起きた。 日課となっているリースの墓参りだ。村外れの墓地まで長い髪を揺らしながら歩く。「おはようございます、モモさん」「あぁ、おはよう」 宿屋の娘カノイと出会った。手には花を持っている。 カノイはこうしてたまに、先祖の墓と一緒にリースの墓にまで花を添えてくれていた。「いつもありがとうな、カノイ」「いいえ、私に出来るのはこれぐらいですから」 そう言ってカノイはフフッと笑う。モモはリースの墓の前で両手を組んで祈りを捧げた。「いつも訓練お疲れさまです、きっとリースさんも見ていてくれてますよ」「……あぁ、そうだな」 目を開けるとモモは返事をした。そのまま訓練をしている平原へ行って素振りをする。 一刻も早く強くならなければならない、守られるのではなく守るようになれるようにと。 しばらくすると仲間たちがやってくる。「いつも感心だなモモ」「やる気がみなぎっちゃってますねー、若いって良いわー…… って誰が若くないじゃ!!」「お前は黙ってろ」 ルーのノリツッコミをアシノは適当に流す。「おはようございます、モモさん」「おはようございまずー!」「おはよう、モモお姉ちゃん」  ぞろぞろと朝の挨拶をする仲間たちを見てモモも挨拶を返した。「えぇ、おはようございます」 今日も訓練が始まる、残された日はあと10日だ。 災厄の壺が発動するまで8日間になった。今日は最後の訓練である。 アシノが最初言ったように付け焼き刃ではあるが、モモもユモトもだいぶ成長していた。「今日は本気出しちゃうから怪我したらごめんね!!」 ルーはいつもより強めの精霊を召喚する。今日はルーも訓練する側ではなく、精霊を操ることに専念した。 3体の精霊がモモに襲いかかるが、まず1体を斜めに切り上げて倒し、剣を振り上げたまま走り次の1体を倒した。(一撃一撃の威力が重くなっているな) アシノは感心してモモを見つめる。最後の1体は真横に斬り捨てた。 エルフ衆の矢がモモを狙って飛んでくる。すかさずユモトは防御壁を張った。 始めは目の前にしか張れなかったそれも、10メートルぐらい先になら展開できるようになっている。 自身とモモを防御壁で守りながら、ユモトも魔法の氷柱で精霊を貫き、数を減らしていく。 20分ほど戦

  • 裏庭が裏ダンジョンでした   修行生活 3

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     ムツヤは『割ると辺りのクサイ匂いが消える青い玉』を触手トカゲの消えた場所に投げる。 これは割れた場所を中心として、約半径30メートルの空間に漂うどんな有害物質でも除去できる代物なのだが、普段は使い道が見つからないのでトイレのちり紙の横に山積みにされていた。 大きい方をした後のエチケットだ。 もちろん、これも外の世界で1玉売れば1週間は酒場で豪遊が出来る価値がある。 部屋は快晴の空の下で心地の良い風が吹いたように、爽やかな空気になった。 さっきまでの匂いを嗅いでいたムツヤは普段より余計に清々しく感じている。 ムツヤは知らない事が多い。 触手トカゲの吐き気を催す臭いは、常人であれ

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    「……、どういう事よ」 ルーはジト目でアシノを見つめた。「ここを私達の拠点にして彼奴等を迎え撃つんだよ」「この様な場所で良いのでしょうか?」 ユモトも不安そうに尋ねた。アシノは一体何を考えているのだろうと。「こんな場所だから良いんだよ、ここは街が近いからどこから攻められてもすぐに駆けつけられる」「それなら街の中に居れば良いじゃない!!」 ルーがもっともらしい意見を言うが、アシノは首を振る。「ぶっちゃけた話、あの魔人に抵抗できるのはムツヤぐらいしか居ない。だが、ムツヤは正体を隠さなくてはいけない」「そんな事知ってるわよ」「だからムツヤには正体不明の冒険者になって貰わなくちゃ

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